北会津 高曽根山(1443.2m)、高平山(1113m) 2013年4月14日  カウント:

所要時間 10:15 蘭峠−−10:19林道入口−−11:21 林道終点−−12:10 高曽根山(休憩) 13:12−−13:37 1122m峰南を巻く−−13:59 1175m峰−−14:19 高平山最高点−−14:26 高平山三角点−−14:38 車道−−14:51 蘭峠

場所福島県喜多方市/耶麻郡北塩原村
年月日2013年4月13日 残雪期日帰り
天候快晴
山行種類残雪期籔山
交通手段マイカー
駐車場駐車場無しで路側に駐車する
登山道の有無たぶん無し(積雪でルート不明)
籔の有無残雪で籔無し。無雪期は不明
危険個所の有無無し
山頂の展望高曽根山は大展望
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コメント蘭(あららぎ)峠南側の沢沿いの林道から高曽根山に登り、南東から東に延びる尾根を伝って高平山に登り、南下して車道に下り、車道を歩いて蘭峠に戻った。林道入口〜高曽根山のルートは地元ではメジャーなようで土日とも入山者あり。日曜は私を含めて計8名だった。尾根はブナに覆われ危険個所は無く初心者に最適。山頂は立木は一切無く360度の大展望が楽しめる。高曽根山〜高平山間は尾根屈曲が多数あり、読図能力がないと厳しい。高平山の三角点は一段下がった所にあり、本当の山頂は1113m標高点ピーク。高平山の下りで今年初めて熊の足跡を見た




蘭(あららぎ)峠 林道はやや下った所から分岐
雪に埋もれた林道入口。多数のトレースあり
橋もこんなに雪が積もっている
デブリを越える 林道終点。ここで斜面に乗る
ブナ林の広い斜面 稜線に乗る
磐梯山 西吾妻山
ブナの広い尾根を登る 山頂が近付くと傾斜が緩む
山頂直下 広い高曽根山山頂。立木皆無の大展望
高曽根山から見た北半分の展望(クリックで拡大)
高曽根山から見た東〜南の展望(クリックで拡大)
高曽根山から見た南西の1389m峰。トレースあり 高平山目指して下る
高平山へと続く尾根 トレースを外れて東に向かう
1120m峰手前の110m鞍部 3mくらい高い所に目印あり
1120m峰は北を巻いた 1100m鞍部
1122m峰への登りだがこれは登らず 1122m峰は南側を巻いた
1122m峰東の1110m鞍部で稜線に復帰 1150m峰北側を大きく巻いて1175m峰へと東へ方向転換
振り返ると高曽根山 1175m峰の登り
唐松植林 1175m峰でこんな目印あり
北東に下る 1110m付近
1100m肩 1100m肩からの急な下り
1100m肩を見上げる 高平山への登り
尾根が右に曲がると尾根直上は籔が出ている
1090mで傾斜が緩む 高平山山頂(1113m標高点)
高平山付近から見た高曽根山
高平山付近から見た桧原湖 三角点へ下る
熊の足跡。指の形までくっきり残る 高平山1096.1m三角点
1113m峰と三角点の中間から南へ下る 尾根に乗る
ここにも熊の足跡 車道間近
尾根末端 車道を登る
蘭峠に到着


 高曽根山は桧原湖北西側に位置し、簗部山とはちょうど対岸方向になる。標高は1400mちょっとあって残雪も期待できる。たぶん夏道は無いだろうと思うが念のためにネット検索をかけると案の定残雪期専用の山とされていた。登るとしたら蘭(あららぎ)峠の少し下を流れる沢沿いの林道を詰めるのが最短に見えたが、ネットで発見した記事もそのようなルート取りをしていた。ただ、近くにある高平山も絡めて登る予定なので、往路は林道を巡るとしても帰路は尾根を伝って高平山に登り、蘭峠に戻るとしよう。

 簗部山、大早稲沢山、甚九郎山周回を終えて蘭峠に向かい、峠の上で車中泊。えらく広い道がしっかりと除雪され、路側に車を寄せれば交通に支障は無い。偵察がてらに林道入口を見てきたが本日のトレースがしっかりと残っていた。これで明日はラッセルから解放だ。それも日の出直後から動き出せば雪が締まって登りは快適だろう。

 期待して寝たのはいいが、ここしばらく出ていなかったため油断してしまい、寝ている間に片頭痛の発作が発生、最初は軽いと感じていたが、朝飯を食っている途中で急激に悪化し、胃の中の物をすべて吐き出して胆汁まで出てくる始末。山登りどころではなく寝袋に潜って数時間激しい吐き気に苦しめられた。それでも5時間くらい横になっていたら動ける状態には回復し、今日は昨日と違ってドピーカン、このまま登らないのはもったいないので記録的遅い時刻の出発となったが歩くことにした。まだ吐き気が完全に消えたわけではなく飯を食える状態ではないので、胃が完全に空っぽの状態でスタートだ。体を動かせば回復が早まるといいが、これ以上悪くならないよなぁ。

 一応、高平山経由で峠に戻るつもりなので、車は峠に置いたまま会津盆地方面に歩いて下り、林道入口に到着。周囲には車が3台。こんな時刻なのでもう下山する登山者がいてもおかしくなかろう。トレースはしっかりとついていてワカンの出番はないし踏み抜きも皆無だ。橋の上の積雪を見る限り、林道に積もった雪は2mはありそうだ。沢が埋もれてスノーブリッジになった個所もあったし、林道上にデブリが落ちていたりもした。昨日とは違ってスタートから雪が多く、藪の心配は皆無だ。

 途中、林道の分岐点があり下山途中の3人パーティーと遭遇。この時間に降りてくるくらいだから登りは雪が締まって快適な時間帯だっただろう。トレースは2手に分かれており、地図を開いていたら3人組から「左がルートですよ」とお声がかかった。確かに左のトレースの方が断然濃かった。

 そのままトレースを進み続け、小さな谷で林道が終わって(雪に埋もれているのでもっと前から林道が終わっているかもしれないが)、トレースはブナの斜面に取りつく。南向きの斜面だが土が出ている個所は一切無く真っ白な斜面だけ。これだけ雪が残っていればトレースを当てにすることなくどこでも歩けるが、昨日以前の新雪の影響があるので少なくとも登りではトレースを歩く方が楽だ。それに体調もいまいちだし。これまでの水平移動ではさほど体力は使わず、体調は登り調子ではないが下り調子でもなかった。このまま続行。

 晴れて日焼け確実な斜面なので、顔、耳、腕、首筋に今年初めての日焼け止めを塗る。そろそろ日よけのために麦わら帽子が必要か。これ以上ない好天で雪原が眩しい。広い斜面を登って尾根に乗ると左に向きを変える。林道で水平距離を稼いでいるので、斜面に取り付いて以降は山頂まで最短距離だ。

 気持ちのいいブナ林が続き、その中に延びる幾筋かのトレースのうち一番濃いものを辿って楽をする。やはり、足跡の無い広い雪原があると、人間誰でもまだ踏まれていない場所を歩きたくなり、特に下りでルートがバラけるのだろう。こちらは帰りは高平山経由なのでかなり別ルートになる。

 傾斜が緩んで山頂が近付くとブナ林が消えて一面の雪原のみに変わり、すぐに最高点の高曽根山山頂に到着。平坦でだだっ広く明確な最高点は存在せず、三角点の埋もれた位置を特定するのは不可能だ。視界を邪魔するものは皆無なので360度の大展望が楽しめるが、今日は天気が良すぎて空気が淀んでいるようで透明度が悪かった。北は朝日連峰から蔵王がかろうじて見える程度で、南は南会津の山々が霞んで同定できないほどだった。白さが一段と目立つのは飯豊。あそこなら6月くらいまで残雪が期待できるかな。西吾妻は昨日はシラビソの上に新雪が乗って真っ白だったが、今はその雪が落ちてしまいシラビソで真黒だ。もちろん地面付近は数mの積雪だろうけど。北西方向には昨年登った飯森山。ここも真っ白だ。

 山頂には先客が4人いて、3人パーティーと単独男性。単独男性は先週は飯森山に登ったとのことで、あそこで私が熊を見た話をしたら、男性は東吾妻で岩に座った熊と接近遭遇(10mくらい)の経験があるとのこと。その座った姿で最初は人かと思ったという。10mだとかなりビビっただろう。ツキノワグマの由来の首の白い三日月がはっきり見えたそうだ。大声を出して熊を威嚇したが(えらい度胸だ)、逆にあちらから威嚇されて大急ぎで逃げたそうだ。それ以来、必ず熊避けの鈴をザックに付けているそうな。関東より明らかに熊が多い東北では鈴は必需品だろう。

 やっと体調が戻ってきて空腹感を感じ、約1日ぶりのまともな飯を食う。その間に他の4人は下山していき、最後は山頂は私一人の貸し切り状態になった。体調は100%とは言わないが問題無く歩ける状態なので、計画通り下山は高平山経由に決定だ。これだけ天気が良くて尾根の先の様子が見えるのならば、本コースの屈曲部分も判別できるだろう。

 山頂に別れを告げて最初はトレースを辿って下り、トレースが尾根から右に逃げるところで直進、まっさらな雪の上に足跡を付けていくのはやっぱり楽しい。日中の気温上昇で新雪がだいぶ減ってきており、ワカン無しでも問題無く歩ける程度になっていた。

 尾根は相変わらずブナ樹林で覆われているが背が高く落葉しているので先を見通すことができ、尾根が曲がるところも的確に把握することができて読図が楽だった。最初の鞍部を通過、1120m峰は北側から巻いてしまい、次の1122m峰は南から巻く。どちらも傾斜が緩いので歩きやすかった。稜線に戻って1150m峰の北側で東に進路を変え、1175m峰は巻かずにてっぺんまで登る。ここに立つブナの幹には赤ペイントが見られたが、高さからして無雪期のものだろうか。いつのまにかカラマツ植林になっていた。

 1175m峰を下ると再び自然林となり尾根の幅が狭くなり、右に屈曲すると急激に高度を下げる。鞍部から登りにかかると稜線上は藪が出てしまっており右側を迂回する。山頂直下まで藪が出ていたのでそのまま巻き続け、広い山頂の一角に到着。平坦部になると藪は嘘のように消えて残雪がたっぷり。なだらかなピークで明確にどこがてっぺんだと指し示すのは難しいが、高そうな部分にも山頂標識等はなかった。わざわざ高平山を目指して登る人はほとんどいないのだろう。三角点は東に下ったところにあるのでなおも進み、肩になって上空が開けた部分に到着、積雪で三角点は見つけられないが、おそらくここがそうだろう。ここも目印等は見当たらなかった。そうそう、三角点肩に至るまでに小さな熊の足跡を発見、今年初めての熊の足跡だった。この気温では起きていて当然だろう。

 帰路であるが、当初は尾根を逆戻りして1175m峰に登り返して蘭峠に出ようと考えていたが、いくつかのピークの登り返しを考えるとこのまま車道に下って車道を登り返した方が楽だろうと考えるようになった。面白味は無いが時間と労力の節約にはなる。そうと決まれば三角点から少し戻り、右手(南)に下る小尾根に取りつく。小さいながらそこそこしっかりした尾根で適度な傾斜で歩きやすい。南向きの尾根なので藪が出ていないか心配だったが、最後の最後を除いて雪が連続していた。そしてさっきの熊のものだろうか、小ぶりの熊の足跡が尾根上に断続的に残っていた。熊は素直に尾根上を歩かず、時々道草をするのが好きらしい。もしかしたら姿を拝めるかと期待して周囲を見渡しながら歩いたが、残念ながら発見することはできなかった。

 尾根末端から車道に出た後は、除雪された車道を登り返す。最後のカーブだけショートカットしたが、距離が増えても雪が無い路面を歩いた方が楽だったかも。

 車に戻り、東京への帰路は蘭峠から南西に車道を下ってみた。これだけきれいに除雪されているのだから途中で通行止めなんてことはないだろうなと思ったがその通りで、最後は大塩集落で国道459号線に出られた。

 

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